春陽展は日本美術史に多くの足跡を残し、新たな画家・版画家を輩出している公募展です。

第99回春陽展:レポート

第99回春陽展
第99回春陽展
第99回春陽展 催事のお知らせ

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~企画展示~

■2023第100回展記念企画 第100回記念春陽展を創る

「春陽展四つの宝 -多様な芸術表現-」 2F・チャリティーコーナー

春陽会の創立には多士済々な人々が参画し、その中には洋楽を追求するうちに日本や東洋の絵画の良さに目覚めた人々もいました。春陽会は主義主張にこだわらず、自分たちの思い重いの作品を発表できる場として、新たな一歩を1922年から歩み始めます。その特徴を示すのが創立まもなく設けられた素描・水墨室、挿絵室、版画室、そして戦後の一時期設けられた舞台美術室です。この四つの展示室を図表と事務所に保管されている資料で紹介します。

「前田藤四郎と春陽会」 3F ・展示室

前田藤四郎は戦前から春陽展に出品し、春陽会にも深く関わってきました。創作版画期から関西を中心に活躍し、木版をはじめ様々な技法を、特にリノカット技法に特色ある作品を発表しました。春陽会版画部会員が所有する前田氏の作品や資料、春陽会が発行した春陽帖の記事等を展示します。

■春陽会資料室 2F・休憩室

私のアトリエ ~創作の現場から~

入江観 川野美華 畠山昌子 いしだふみ

春陽会会員のアトリエ風景や道具、インスピレーションの元になる資料・下絵等をご紹介します。

■チャリティー展示 2F・チャリティーコーナー

会員有志による作品の展示、チャリティー販売を行います。

収益は社会福祉法人NHK厚生文化事業団、日本赤十字社を通じて社会福祉事業、自然災害復興支援のために寄付します。

■春陽会研究会の紹介 2F・休憩室

【春陽会HP研究会ページはこちら】

春陽会では全国に研究会を設置し、絵画と版画の啓蒙及び研究活動を行っています。

このコーナーではそれぞれの地方研究会をご紹介します。

■「皆に知ってほしい春陽会 未来を創る」~そっと教えます。私が気になる作品~ 

<絵画> 入江観 横山了平 小池悟 藤沼多門 鈴木善晴 諸星浩子 川野美華 桑嶌美代子

<版画> 舩坂芳助 鈴木誠一 内山良子 川井一光
<客員> 海老塚耕一

国立新美術館での第99回春陽展期間中に収録されました。

講演会の動画の編集が出来上がり公開致しました。

 こちら からご覧いただけます。(外部リンクに繋がります)

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「第99回春陽展の審査主任を終えて」審査主任  佐藤 勤

 第100回の記念展を目前にした第99回展の意義を、前夜祭のような賑わいのある展覧会にしたいものと考え、準備を進めてきた。

 審査は前年に続きコロナ感染拡大防止対策として、審査室への入室者数制限があり、理事・監事及び各地研究会主任と展覧会役員等合わせて36名で行われた。このような事態は今回で2度目だが、全会員による審査を掲げてきた春陽会としては、コロナ禍の早い終息を願うばかりである。

 4月8日1日目の審査は205点の入選・賞候補が決まった。9日2日目の最後に再考に残った作品をもう一度見直して、全部で362名の入選と27名の賞候補及び20名の会友賞候補者を決定した。

 今回展から会友賞候補は、賞候補を問うた後に会友賞候補の動議が出されれば、押しボタンで決を取ることになった。コロナ禍による新しい方法だが、混乱はなく進行していたと思う。さらに、賞候補・会友賞候補作品は、審査主任がその場でデジカメに記録を取り、17日の絵画部授賞会議での参考資料にすることになっている。

 審査での感想は、大作を3〜4点搬入していた方が2点だけだったり、小振りな作品になった人も見受けられた。また、会友は2点以上の搬入としているが、1点だけの出品者が以前より多いと感じられた。コロナ禍も3年目に突入した今日、生活の変化なのか、突然の戦争の勃発で不条理な現場の凄惨なニュースを、毎日耳目にすることで気持ちが落ち着かず、創作のモチベーションが変調したのか、どうしたことだろうと思うことが度々あった。

 75年前のあの戦時中に、空襲警報の響く中でも、お茶の水での春陽会研究会は、粛々と行われたと聞いています。来年は100回の記念展を迎える春陽展ですが、文化芸術への逆風とも言われているコロナ禍の現在ですが、来年の春に向けて準備を始め、記念展に相応しい佳い作品を制作しましょう。

 陳列日はコロナ禍でどれだけの会員が参加できるのか不明で、事務局にはアルバイトと川端商会の人数増員をお願いし、事前にブロック主任だけ選任しました。副主任と会員の配置は当日決めることとしました。展示は順調に進み、会友・一般は全て一段掛けとなり、広い部屋に受賞作・賞候補作品を配置し、会場中程に小さな作品を集中展示することにより、メリハリのある会場になったと思っています。


99回展審査主任代行 ウチダヨシエ

鈴木誠一氏体調不良の為急遽大任を仰せつかった。正直 戸惑ったが、間際まで綿密な計画を立てていただいていたので無事遂行することができた。

審査内容(会員推挙)の変更について絵画部と話し合いがもたれ 結果、絵画部は変更案試行、版画部は今までの審査内容で行うこととした。話し合いの中で、絵画部会員から「版画部もあって春陽会」という言葉があったのは嬉しく 先人がお互いを尊敬し各人主義として培ってきたこと 独立当時に思いを馳せた時であった。

 審査は未だコロナ禍の状況で審査室の人数制限により審査人数は例年より減らして行ったが応募作品については まず声かけ、討議 挙手により決定とし、賞候補作品は投票 討議により決定。例年と変わらない審査内容であった。全体の傾向として一般は昨年度に比べ応募者が減少したものの3点入選受賞者があるなど コロナ禍にもかかわらず一般会友ともに意欲的で一定水準を満たした作品であった。応募していただいた方には熱い思いを感じ感謝している。また途中閉会もなく幸いであった。

 一段がけでより良く観える会場を心がけ、例年 春陽会の版画は良いですね。というお言葉をいただいている。本年度も評がそうであったと聞き、安堵。代行の任を終え皆様のご協力の賜物と感謝している


第99回春陽展 版画部陳列・展示レポート   第99回展版画部審査副主任 立堀秀明

第99回春陽展版画部審査主任鈴木誠一氏が体調を崩され、第100回展審査主任ウチダヨシエ氏が版画部陳列・展示を代行しました。展示作品に関しては、昨年の資料を基に鈴木主任が事務所・書記・川端商との打ち合せを行い準備していた為、各展示室に作品が配置され各係により順調に作業が進められました。今回は3点入選・受賞作品がありましたが、展示点数が第98回展と比べ減少したこともあり、きれいな展示となりました。

3階特別展示「前田藤四郎」は鈴木主任のもと資料収集・パネル製作を行い、いしだふみ氏・仲野壽志氏・水津安美の協力を得て第98回展に続き特別展示を行うことが出来ました。  展示当日は関西よりいしだ氏が会場に足を運び自身の2階休憩室「私のアトリエ」展示と3階壁面パネル・アクリルケースの展示を精力的に行いました。コロナ禍の関係もあり展示に参加した会員の人数は少なく各自に負担のかかった展示となりましたが、ベテラン及びアルバイト人員の功により無事終了しました。


 第99回展 講演会のご報告   展覧会実行委員長 山本 睦

演題:皆に知ってほしい春陽会

〜未来を創る〜

副題:そっと教えます。私が気になる作品

  第99回展もコロナ感染予防として人数制限を設けながらも無事に講演会を開催することができ、ご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。

今回の講演会は、春陽会として初の自由討論方のディスカッション形式で世代地域を超えブレーンストーミングし、結論を出すことに拘らず、お互いが納得する意見を創出し理想を追い求めていくことを目指した内容でした。

講演者として絵画部版画部のベテラン、中堅、若手の会員にご登壇いただき、春陽会会員や会友や地方在住の会員から寄せられた率直な疑問や質問に意見を述べていただき、更にディスカッションをしていきました。

それらに共通するのは、画家として版画家として美術家としていかに制作に向き合うか、また団体展として抱える悩みなどを発展的に捉える内容となりましたので、紙面に一部をご紹介いたします。

【若手会員から、ベテランの方は長く制作を続けて尚、制作のエネルギーや熱意を出し続けられる秘訣は何か。また画家・版画家として今まで何が大変だったか、その時の選択枝と結果はどうなったか】

入江氏よりー芸大を出ても画家というものにいつなれるかも分からず、40代でフランス留学から帰国したときに他の選択肢は無いとやり続けた。自分はどんな人間か、長く制作をしてもまだ描けていない。未知の自分を探すことがエネルギーの原動力となっている。

海老塚氏よりー常にやめようと思っていた。

単に止めるのではなく、20代で5大新聞に載らなければ又30代に国際展で大賞受賞しなければやめると考えていたが、どちらもクリアした。

その後、現代美術家リ・ウーハン氏、恩師・美術評論家東野芳明氏の意外な清貧の暮らしぶりに美術家の厳しさを思ったが、サンパウロ・ビエンナーレでサム・フランシスの家を訪れた時、私の制作状況を見た彼に帰ったら直ぐにスタジオを作れと叱られ、帰国後すぐスタジオを作った時に美術家として自立した思いがした。スタジオにある沢山の木の素材が毎日違った表情を見せる、それらが制作の原動力になっている。

舩坂氏よりー多摩美在学中から油彩と版画を制作していた。油彩は上手い人が沢山いる、木版をやれば食べていける気がした。良い仲間や先輩に囲まれ、1967年、銀座交詢社ビル

にあった大倉画廊で個展デビューをした。その後これまで企画展を160回やった。自分の個性を創るという意思を持てば制作の熱意を持てる。

司会:若手作家は、ベテランの先生への憧れがあります。若い頃は秘訣があるのではと思いがちですが、そのような近道はなく、出会いであったり、決意であったりが大事なことであろうということがお話を聞き理解できました。

【創立趣意書から「各人主義」を礎に続けてきた春陽展は来年100回展を迎えます。会はどのような会だと思っているか、又どのような会であってほしいか春陽会についての魅力や今後の目指す魅力などについて】

藤沼氏よりー春陽会独自の研究会という組織が全国17箇所にある。自分も研究会によって各人主義を感じ育てられたことを痛感している。批評だけが大事なのでなく其々の良い面を伸ばす方向で、ある時は厳しく真摯に向き合うということが各人主義を体現していると思える他にはない春陽会の特徴であり素晴らしいことと思う。この春陽会独自の研究会活動があるということを魅力にこれからも続けていくべきことと思う。

内山氏よりー各人主義という好きな言葉を知るより前、会の仕事を活動する内に年齢や経験年数を超えて気軽に作品について語り合える環境が、春陽会独特の会風として各人主義を礎としていると思った。個々の作家同士として隔てなく話し合えることが春陽会の魅力と感じている。

司会より:春陽会は分け隔てない会風が魅力であること又研究会活動が春陽会にとって展覧会と両輪の輪のように重要であること魅力であることをご発言いただきました。

【美術界に造詣の深い海老塚氏にお聞きしたい。制作と社会との関係をどのように捉えているか。社会とアートをどのように関係を持っていけば良いか。団体展の中だけでないご意見を伺いたい】

海老塚氏よりー大きな問題であり短い時間で語ることは難しいが、「社会とアートとの関係」を考えるとき日本の近代を考えることにより日本という国の成り立ち、今の日本美術を考える。近代、西洋からの芸術・美術について西が翻訳してスタートした。時間・空間・人間のような美学・芸術学も西洋から充てがわれた概念であり、近代用語としての時代性を持っている。正に今、その弱さを感じている。近年何故アートという言葉を使うのか、アートと美術の違い、アートというものは骨格が無い。漫画などもアートと言われるが、美術ではない。漫画市場の興隆は経済面で大きいものであり、本来国のために経済があるべき所逆転し、今や経済の為に国がある様な状況である。アートマーケットやアートフェアで名もなき作家に高額な評価がつく時代、しかしそれはいずれ凌駕されてしまうだろう。今未だ創る途中なのだ。例えばダミアン・ハーストは多くのスタッフを抱え会社組織のような制作スタイルだ。そういう社会の中で自分は、画廊、画商、アシスタントなど身近な色々な人とやっていきたいと思っている。これが自分の社会との関わりと思っている。現在のそういう社会の中で制作するのが大事なのではないかと思っている。

司会より:お話から逆にテーマを投げかけられたようで、考えていく発端になるようなお話しを頂きました。

【海老塚氏の広い視野からの話を伺った上で

団体展とは何か、それは今後どの様に進んでいくと思うか又進めていきたいか】

入江氏よりー先日、日本美術家連盟で日本画家の座談会を開いた。創画会の滝沢氏からヨーロッパを情報として受け止めたという発言があり、欧米文化にドップリと浸かっていた洋画家としてはショックを受けた。考えてみればその方が健全な考え方であろう。洋画という言葉は日本画に対してある時代にできたもので、本来は絵画として総称できれば欧米人から見ても不思議に感じないであろう。

また時代によって同じ表現方法を素描、デッサン、ドローイングのように変わる美術のり方が社会の中で変わる、それに対する美術家の対応の変容が社会との結びつきになっていくのだろうと考える。

海老塚氏よりー色々な表現方法が出ている現在、括られることに違和感があり、自分は美術家として活動している。日本で有名になるには公募団体、世界で有名になるには現代美術家というような2文法が現状にある。同じ美術をやっているのに敵対している様に見える。お互いに鑑賞にも行かない。国家的な分け方も関係があり、一方は文化勲章また一方は国際展で大賞を取るというような事。ある時自身のゼミで学生を春陽展に連れてきたら、好評であり同じ美術であるということを学生は理解した。若者たちはアートフェアを狙い勝手に生きている。違う位相の中で美術が動いている。

司会より:団体の中にいる者には気づかないご意見を受け止めて、開かれた団体展とはなど春陽会として今後も未来に向けて取り組むべきお話しを頂きました。

小池氏よりー海老塚さんの話を受け勇気づけられた。現代に生きて公募団体に出品している後ろめたさのようなものを若い時分感じた事もあったが、そうで無いということがわかった。各人主義や民主的な運営は春陽会の魅力である。

【地方在住の若手会員川野美華氏から、春陽会の大きな流れが見えてこない又今後会に求められる動きとは何か】

小池氏よりー先ほど海老塚氏のお話にもあったように開かれた春陽会を模索していくことではないか。今年の第1室は魅力あるものとして対外的に勝負できるものに感じた。

会は出品者一人一人により運営されている。地方にいても一人一人が主体的に取り組んでいただきたいと思う。

【同じく桑嶌美代子氏から、若い研究生など制作と生活の両立や大作制作についても負担を感じ手近な大きさでS N Sにアップしたり小さな画面で完結するやり方に不安がある】

諸星氏よりーS N Sで発表しているだけだと、

大作に取り組んだ実感がないと思われる。制作をするということは絵を作るということだけでなく行動することと感じている。S N Sを使ったとしても伝え方が足りていないと思う。

【地方在住や若い方は暮らしと制作の両立で大変な中、春陽会に所属する意味とは、又若手作家に無所属が多い中、良いアドバイスは

ありますか】

鈴木(善)氏よりー自分も若い頃は、仲間や先輩とグループ展をして勉強していたが其々の人生観で長く続けるのは難しかった。団体展というのは長い歴史を持ち、春陽会は各人主義ということでお互いを尊重し合い、暖かく見守ってくれる一面がある。人は歳を重ねていく者で、未来のために団体展に所属するという考えがあっても良いと思う。先程S N Sの話題が出たが、全てがスマホのプラットホームの中にあり、絵も例外ではない。近松門左衛門の言葉に「芸というのは虚構のものと現実のものの触れ合う被膜のところにある」とあるが、現代はS N Sという虚構の部分が強くなっていると思う。若い人にはそこに実在しているということが伝えられたらと思う。

入江氏よりー春陽展は来年100回展を迎える。

東京、長野、愛知、栃木と4箇所で記念展覧会をやることとなっている。展覧会以外にもW E B史料館、紙媒体の史料作成などを予定している。

私は100回を区切りに春陽会を解散してはという言葉を会員に投げかけ、皆驚いたわけだが、今、団体展は批判どころか無視される傾向で、マスメディアは勿論の事、学芸員は団体展を観ない。春陽会も長い歴史の中でオリのようなものが溜まっているはず、それらを洗い出して春陽会にはこんな良いところがあるのだということを前面に出して続けるという作業が必要ではないか、それこそが100回展の意味ではないかと思っている。問題点を掘り出して続けていくということを皆とともに確認したいと思う。

船坂氏よりー海老塚氏、入江氏が言ったことは我々ものを創るときに頭に入れていることである。今の若い人たちの中には、面倒臭いという感じがあるのではないか、若い人たちは我々の期待を重荷に感じているかも知れない。審査されるというのを嫌がる傾向がある。

春陽会はかなり自由な会だと思っているが、

出品者は減少している。これらの動きに対して考えていかないといけないと思う。

藤沼氏よりー昨今心配なのは、会友一人当たりの搬入点数の減少、大きさの縮小である。

団体展としての人を集める努力も諦めているように見える。他の団体展に入っていた人が春陽会に移ってくれるという良い実績もある。

また5美大展をチェックしトレードするようなことがあっても良いかとも思う。

【若手会員・版画部川井一光氏から、地方在住の若手出品者を増やすには研究会がない所に春陽会の良さを発信し、魅力を感じてもらう事が必要ではないか】

内山氏よりー松山市在住の川井氏に市で春陽会の展覧会を見て魅力を感じてもらえたように一人一人が真摯に取り組んでいくことが必要と思う。長い目で見て、研究会のない場所で一般の人に春陽会を知ってもらう展覧会を開くのも良いのではないかと思う。知ってもらう機会を作っていけたら良いと思う。

司会より:世代や地域は違えども同じ春陽会人として同じ思いがあることを感じました。

来年100回展を迎えますが、更にその未来について理想を追い求める数々のご意見、又美術界に広い視野をお持ちの海老塚氏からの「開かれた団体展」というような素晴らしいフレーズも頂きました。

本日のディスカッションでは、結論に急ぐより、春陽会の人達の具体的な考えがみえた事、会も同じことの繰り返しでなくその先に向かって、世代間差・地域差があっても考えは同じ方向であるということがわかったような気がいたしました。未来へ向けての今日のご意見をもっと聞きたい気持ちですが時間になりました。本日は長い間ご参集いただきましてどうもありがとうございました。壇上の会員の皆様を拍手でお送りください。

 

※ご出演者の自己紹介を誌面枠の都合上掲載できませんでしたが、詳細を含めYouTube[第99回春陽展講演会]でご視聴いただけます。

                  




第99回春陽展 名古屋展

第99回春陽展 名古屋展


2022年 5月17日(火)~22日(日)10:00〜18:00
(金曜は20:00まで、入場は30分前まで、最終日〜16:30)
愛知県美術館ギャラリー
〒461-8525
愛知県名古屋市東区桜1-13-2 愛知芸術文化センター8階
愛知県美術館HPはこちら(外部サイト)
共催:中日新聞社・東海テレビ放送・東海ラジオ放送


第99回春陽展名古屋展	中部支部事務所 小林俊明

 第99回春陽展名古屋展は、令和4年5月16日㈫から5月22日㈰、愛知県美術館ギャラリーで開催し、春陽展に出品された全会員(辞退者除く)、受賞者、中部地区入選者(会友・一般)の作品合計302点、内訳は絵画221点 版画81点を展示しました。
 中部支部関係の入選者、受賞者については、版画部の鈴木知子さん始め、奨励賞3名、会員推挙者4名、賞候補者が15名という結果でした。
 展覧会期間中の行事として、21日㈯は午前10時半から「伝統から未来に向けて」と題してギャラリーツアーを開催しました。絵画については鈴木善晴氏が入江先生、松島先生など伝統を引き継ぐ作品から今年の受賞者の新しい表現作品まで幅広く紹介し、版画については杉藤万里子氏が各種技法、新しい版画概念まで解説し、予定していた時間を大幅に超える大盛況でした。
午後1時から午後2時半まで中部研究会により会場批評会が行われ、中部地区在住の会員と中部地区以外の会員、絵画部では小池悟氏、新会員のブレンドレ・ヨーク氏、版画部では篠田紀美代氏、立堀秀明氏、務川めぐみ氏、横瀬信子氏が講師として参加され、中部支部の会員と共に有意義な批評会が行われました。午後3時からは、会場を東京第一ホテル錦二階ブリランテに移して、小池悟理事長挨拶、受賞者、会員推挙者、新会友、初入選者の紹介の後、名古屋展恒例の画談会に入りました。画談会は春陽会に縁のある方々に自由に語って貰う行事で今回講演者には版画部会員清水美三子氏をお迎えし、「記憶・経験・かたちを思考すること」と題しての講演して頂きました。制作に対する姿勢、自身のこれまでのルーツや歩み、作家会員棚橋隆氏、会友浜口加奈子氏の二人の作品分析等、対話形式で大変な人気でした。講演終了後も講演内容についてもっと知りたいとの声も多く寄せられました。
翌日21日までに4625人の入場者があり昨年のコロナ禍より大幅に増えました。
春陽会本部、中部地区出品者の皆さんの協力もあり無事終了することができ本当に有難うございました。

第99回春陽展 関西展

第99回春陽展 関西展


2022年 6月2日(木)~7日(火)10:00〜18:00
(入場は30分前まで)
宝塚市立文化芸術センター
〒665-0844
兵庫県宝塚市武庫川町7番64号
宝塚市立文化芸術センターHPはこちら(外部サイト)
後援:NHK厚生文化事業団近畿支局


関西支部事務所 務川めぐみ

待ちに待った春陽展関西展を開催することが叶いました。改修工事により大阪市立美術館が閉館するため、第99回展は宝塚市立文化芸術センターで開催、名称も大阪展から関西展へ変更したことは特筆すべきことです。

 さまざまな変更や緊張のなか、展示作品内容の検討をはじめ時間をかけ準備し開催を迎えることが出来たことに胸をなでおろしています。

 6月4日に開催された会場研究会には本部事務所から3名。中部支部事務所から2名。版画部研究会本部から1名の講師をお招きし、先生方は活気ある空気と前向きな姿勢を運んでくださいました。懇親会中止を決定し、楽しいお喋りの時間や、おもてなしすることは出来ませんでしたが、対面でお会いできたことは何よりも嬉しい出来事になりました。

 今後2年間、宝塚市立文化芸術センターでの開催を予定しており、それを踏まえ可能なかぎりチャレンジする展示を目指しました。反省、改善点をしっかりと受止め、第100回展へ繋げたいと考えております。

また東京本展で企画展示されました「前田藤四郎と春陽会」を巡回展示することができました。前田藤四郎先生は春陽会にとって大切な先輩であり、関西支部にとってはことさらご縁の深い方です。会場研究会では前田先生をよくご存じの会員から先生の制作への向き合い方、生き方などを話していただく機会に恵まれ、さまざまな思い出を話す会員の姿を通し連綿と続く春陽会の歴史を考えるきっかけになったように感じております。

 第98回、99回展を担当しました務川事務所は関西支部の会員、会友、一般出品者の皆様をはじめ、本部事務所、中部支部事務所、業者の皆様…あげきれない方々に支え励ましを受け学びの機会をいただきました。「元気に、誰よりも動き、毒舌もあり、けれども思わず参加したくなるような雰囲気作り」を目指してきましたが、振返るとコロナ感染症が蔓延するなか、たとえ頼りなくとも請われれば一差し舞える若輩事務所であったことは何よりも意味があったと思い至っています。そして今更ながらに第98回春陽展大阪展が中止になったことが想像以上の傷になっていたことに気づきます。それは人と人が会い、交流し、絵について話し喜ぶことを第99回展で目の当たりにしたからに他なりません。

 心からありがとうございました。次期、金澤事務所も支え励まして下さいますようお願い申し上げます。



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