春陽展は日本美術史に多くの足跡を残し、新たな画家・版画家を輩出している公募展です。

第96回春陽展【講演会】

第96回春陽展 講演会の様子

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『春陽会と共に歩んだ日々を語る時間』

 第96回春陽展において講演会が開催されました。
演題を『画談会 春陽会を大いに語る〜4人の春陽会会員によるフリートーク〜』と銘打ち、長年春陽会に所属して作品を発表されている入江観氏、前田俊敏氏、松島治基氏、横山了平氏の4名に加え、『聞き手』として土方明司氏に登壇していただきました。
 会場も観客で埋まり、13:30に予定通り講演会がスタート。
 講演中は始終和やかな雰囲気で進行し、それは春陽会に現役で所属している会員に話をしてもらう、そんな試みならではだったのではないでしょうか。
 土方氏が4名の会員それぞれに話をふり、まずは順番にお一人ずつほぼ自由に語っていただきました。どの方のお話も大変興味深く、例えば、春陽会と関わったきっかけかを語るくだりでは、ご本人の作品制作に対するルーツなどが垣間見られる瞬間でした。
 1人の方がお話をしている最中、ふっと他の演者の方達に目をやると、時折頷かれながら聞き入られている姿が印象的でした。きっと春陽会での活動を通して、共有されている記憶など思い出されていたのではないでしょうか。
進行中、舞台の背後スクリーンでは、お話をされている方それぞれに由来する写真や作品なども見る事が出来ました。今まで発表してきた作品や、懐かしい思い出の写真などが投影されるたび、来場されている聴講者からは微かな騒めきが……。
 その他、自身の制作についてのお話や、会員同士のちょっとしたエピソード、思わずクスリとしてしまうようなこぼれ話など様々で、あっという間の楽しい1時間半でした。演者の方達もお話に熱が入り、最後に予定していた質疑応答の時間がなくなってしまう一幕もありました。春陽会について会員の目から語られるエピソードというのも、個々に聞く機会はあっても、これほどまとまって聞ける場はとても貴重なものだったと思います。来場されていた観客の中には春陽会の会員や会友も多く、自身の所属している会に対する関心の高さが窺わされました。
それぞれの視点から語られる春陽。所属している人も、その他の人も、会について改めて知り、考える有意義な講演会になったのではないかと思いました。

第96回展覧会実行委員 講演会担当 内山良子

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