春陽展は日本美術史に多くの足跡を残し、新たな画家・版画家を輩出している公募展です。

第91回春陽展【講演会】

 

 今年の春陽会特別講演会のテーマは「春陽会とは―春陽会の成立を中心に―」。平塚市美術館館長代理の土方明司氏と春陽会会員の入江観氏の対談形式で行われました。土方氏は近現代の日本美術を独自の視点で捉えた美術館企画や評論で、現在大きく注目されている美術評論家です。学芸員として鳥海青児、永瀬義郎など春陽会に関わりのある画家や版画家を過去に展覧会で扱われています。又、入江氏は春陽会会員であり、日本美術家連盟理事、女子美術大学名誉教授、日本中国文化交流協会常任理事等。何よりも、春陽会の中川一政を語ることの出来る第一人者です。

 講演会は作品画像を見ながら土方氏と入江氏のやり取りで進んで行きました。まず最初に山本鼎の版画「漁夫」から始まり、萬鉄五郎、岸田劉生、木村荘八、小杉未醒(放菴)、中川一政、鳥海青児、三岸好太郎、岡鹿之助・・・。春陽会に所縁のある画家たちの作品が映し出されました。しばし私たちは大正、昭和の時代へと誘われて行きました。そして春陽会の成立から現代に至るまでの画像が続き、最後は先日亡くなられた田中岑氏、そして入江観氏で締めくくられました。

 又、最後に入江氏から「現在の春陽会についてどう思われるか」や「現在の団体展をどう思うか」という質問が土方氏になされ、これに関して氏は言葉を選び真摯に、そして鋭くご意見を述べてくださいました。講演会に来場された方々はご存知だと思いますが、この内容につきましては来春の春陽展の時に発行されます『春陽帖(※1)』に「講演会レポート」と題した記事の中でご紹介したく思っています。ご興味のある方、もう一度内容を見たいという方は是非、『春陽帖』をお読みください。

 団体展に所属し絵を描く私たちは、氏の言うところである「仲良しクラブにならぬよう、自己研鑽をすること」が大切なのだと深く思いました。

 

(※1)担当会員で企画、編集し、春陽展の時期に合わせ発行している冊子であり、受賞者のコメント、会員による前回の春陽展報告レポート、エッセイ、などが載っている小冊子です。

 

研究会本部絵画部主任 岸 鹿津代

 

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