春陽展は日本美術史に多くの足跡を残し、新たな画家・版画家を輩出している公募展です。

第96回春陽展【ギャラリーコンサート】

第96回春陽展 ギャラリーコンサートの様子

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第96回春陽展 チャリティーイベント・ギャラリーコンサート

4月21日(日)14時~15時展覧会会場第2室

 第96回展もギャラリーコンサートを実施する事になり、今回は若い感性を持ったギタリストに演奏をお願いする事になりました。木村眞一朗氏はスペインギターコンクールで1位を獲得されるなど、数々のコンクールに入賞されている新進気鋭の演奏者であり、ヤマハ音楽振興会認定の講師でもあります。
 「ギターの描く世界」というタイトルからは、木村氏が奏でる一本のギターの調べが、展覧会場、それも様々な作品が一堂に会する公募展という濃密な空間の中で、どういった世界を描くのか興味を掻き立たせられました。共鳴するのか、あるいはせめぎ合うのか。しかし、木村氏の演奏が始まると、そういった二項対立的な考えが大きな間違いであった事がすぐに分かりました。木村氏の奏でる音は絵画と溶け合いつつ、同時に強い緊張関係を築き、互いに響き返す緊密な空間を創りあげたのでした。また聴衆の集中した気配も、この至高な時間を演出する大きな要素となりました。

 プログラムから
 「ワルツ第4番」のA.バリオスは、パラグアイのギタリスト、作曲家で、南米の軽快な旋律が、所謂西洋の宮廷ワルツとは全く異なった世界を作り上げていました。S.マイヤーズの「カヴァティーナ」は映画ディアハンターのテーマ曲としても良く知られています。一方の「カヴァティーナ組曲」はポーランドの作曲家A.タンスマンによるギターの名曲です。「青空の向こうに」は、作曲家でギタリストでもある、佐藤弘和により東日本大震災の時に書かれたチャリティーの曲で、弟子である木村氏が今日のチャリティーイベントに合わせ選曲されました。
 そして大きな拍手の後アンコールになりました。曲は誰もが愛するクラシックギターの名品、「禁じられた遊び」で、ここに来て会場は緊張が解け、くつろいだ空気になりました。チャリティーの募金箱が回され、皆さんの感動が大きな形になり大団円を迎えました。

担当:木村梨枝子

さくらの主題による変奏曲/横尾幸弘
ワルツ第4番/A.バリオス
椿姫幻想曲/F.タレガ
カヴァティーナ/S.マイヤーズ
イエスタデイ/レノン・マッカートニー(武満徹編)
カヴァティーナ組曲/A.タンスマン
エヴァーグリーン、青空の向こうに/佐藤弘和
(アンコール)
禁じられた遊び

 

当日配布されたプログラム↓

96gcp

 

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