春陽展は日本美術史に多くの足跡を残し、新たな画家・版画家を輩出している公募展です。

第98回春陽展 版画部展示会場

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第98回春陽展版画部審査は美術館のコロナ渦人数制限により26名の審査員の構成で4月3日10時より開催。審査主任から各賞についての説明、会友賞の変更基準、その在り方についての説明、一点でも賞になりうることの承認、会員有資格者についての紹介をしてから、午前中に一般、午後に会友の順に審査。一般51名、出品数147点から、会友出品者数77名、出品点数102点、の中から審査員の過半数以上の挙手で選考、再考も含めて厳正な審査を行った。入選点数63点、賞候補13名、初出品12名

*一般出品者の作品に関しては全体的にレベルの低下が見られる中で現在の状況下を鑑み、ゆるい審査となったことは否めない。一握りの将来性のある作品を見出すことが出来ればと願うばかりである。

午後からの会友審査の前に再度会友賞変更基準についての説明、今までの会友賞については比較的長年に亘り手堅い仕事をしている会友に優先権があったが、98回展からは  先ずは作品本位ということになった。会友賞の数も3本に増え、加えて賞金も授与されることになった。*会友作品に関していえば全体的にばらつきはあるものの、着実に力を付けてきている会友が今回の受賞に繋がった。

  • 会友入選人数77名 入選点数:102点 賞候補:25名。
  • 入選人数:会友、一般合計:127名 入選点数:会友・一般合計165点
  • 会員出品人数:67名  会員出品点数:119点  版画部出品総点数:284点

*午後4時過ぎから受賞会議開始:春陽会賞、南大路賞、会友賞についての説明、人数再確認の上審査に入る。春陽会賞1人1票で投票、初回票がばらけたため上位3名での決選投票の是非を諮り再投票、討議の上過半数の支持を得た1名を選出。

(敬省略)春陽会賞:山口剛史 流転(木版)自然を素材とした半具象の形態からより抽象化したフォルムによる画面構成は、木版による淡い色彩による柔らかく美しい色面のハーモニーと相まって爽やかで、春陽会らしい作品であると評価した。

南大路賞:2名同点だったため決選投票により過半数の支持を得た1名を選出。

南大路賞:永幡民子  Self-Interview 21-1“密”(コラグラフ)今の社会状況を表すかのような上部に湧き上がる渦巻き状のフォルム、コロナ渦の密とディスタンスを現代風刺画として投げ掛ける表現主義的作品で対外的にもアピールしうる力強い作品として評価した。

会友賞:変更基準を鑑み、審査主任の権限のもと版画部の審査員2/3以上の総意は総会に準ずるということで、版画部は例年の審査をベースに、都度審査員の総意のもと公平に且つ厳正に行われた。賞候補作品すべてを並べ、票の多い順から過半数以上の賛同を得たものを挙げていき、途中議論も交わしながらの丁寧な審査を行った。順当に飯野紀子、斎藤武夫、古舘高孝の3名の方を選出。各々の持ち味の中での安定した仕事振りを評価した。

第98回春陽展がコロナ渦で無事に開催できたことが何よりで、版画部3F展示室は駒井哲郎企画展示があったことでより充実した展示会場になったと思う。多くの資料、作品が寄せられ、版画部先達の仕事を垣間見ることができ好評であった。総展示作品数も程よく、今年は3名の方の遺作展示があったが例年通り各室一段掛けで見易い展示ができたと思う。

審査主任 大久保澄子
 

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